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小説を載せてみる

 ちょっと長いので追記に載せました。続きが見たいという人や感想などコメントに書いていただければ嬉しいです。
 始末屋。それは例えテストの赤点だろうが国家の機密情報だろうが、なんでも始末する裏の仕事。かつて非公式に政府が設立した直属の暗躍部隊だったが、今の世の中には必要がないとして、実質廃業状態にある。
 その最後の当主とされるのが葉月葉一である。
 前当主であった父親、兼は常々こう言っていた。

 始末屋は依頼された対象を始末すればいいというものではありません。そんなことなら、誰にでもできますからね。

 始末屋に求められること。それは―――。

「・・・ん」
 何か、重要なシーンだった気がする。夢―――だったのか。
 朝日と鳥たちの声に目を覚ました。なんて言ったら優雅なお嬢様のような起床だが、ただ朝がきて目が覚めただけだ。
 懐かしい夢だったなぁ。
 昔、父さんと暮らしていた頃の夢。
 あの頃は父さんが始末屋葉月家最後の当主とされていた。しかし、最後の当主となったのは葉月葉一だった。
 サラサラとしたセミロングの黒髪で、おっとりとした目つきに左が茶色で右が青色というオッドアイを特徴に持つ一見するとどこにでもいそうな十七歳の女の子だが、その実は裏の第一線で活躍する始末屋だ。依頼されれば、例え人であろうと始末する。
 今のところ人の始末依頼は来てないが、舞い込む依頼は全て完璧にこなしてきた。
「葉一さま」
 ドアをノックする音と、若い女の声がした。
「ああ、開いてるよ」
「失礼します」
 入ってきたのは、透き通るような金色のロングヘアーが特徴の二十四歳の女性だった。身長は158㎝で青い瞳がよけい日本人離れした雰囲気を持たせているが、一応日本人。普段着はいつも愛用の和服姿で、体重は極秘事項らしい。
「おはよう、金。今日は珍しく早いね」
「ひどいですねぇ、あたしはいつもこの時間ですよ」
 ふくれたように抗議するが、実際この時間には滅多に起きない。
「それで? 今日はなにを企んでいるのかな?」
「えへへー。バレました?」
「バレバレですよ」
 どうせなにか変なものが欲しいとか言うんだろうと思いながら、寝巻きを着替える。
「あら、葉一さま、そんな人前で簡単に脱ぐのはいけません」
「なに言ってるの、いつものことじゃない。というかあなたは女性でしょう? 男性を前に着替えるなら言われてもいいけど」
「確かにそうですが、着替えるさいは『着替えるから少し外で待ってて』ぐらいは言いましょうよー」
「自宅で身内の女性にわざわざそんなこと言うの? それで、なにか欲しいものがあるんじゃないの?」
「ええ、そうなんですよ~♪ ・・・ってあれ? あたしなにか欲しいなんて言いました?」
「あなたの考えてることなんてすぐに分かりますよ」
「えへへー、それがですねえ。猫を飼いたいなぁ・・・、なんて思ったりして」
「・・・猫?」
「はい! この猫です!」
 どこからか出した雑誌に載っていた猫は、なるほど確かに可愛い。
「それで! どうでしょうか!?」
「えっ、なにが?」
「だ・か・ら! 飼ってもいいですか?」
 まあ、今までに何かを飼ったこともないし、たまにはいいのかなぁ・・・。
「そうだね、金がしっかり世話するっていうのなら、飼ってもいいよ」
「本当ですか!?」
「ダメです」
 いきなり、というかいつの間にか金の背後に立っていた男が却下した。
「うわぁ!」
「そんなこと言って、絶対に世話はしないんですから、見てるだけにしなさい」
「あら、白おはよう」
「おはようございます、葉一さま」
 白と呼ばれるこの男は、金と共に葉一の世話をするのと、秘書のような補佐のようなこともこなす大変有能な男である。
 切れ長の目に黒いショートヘア、銀縁のメガネがインテリの印象を深めている。背丈もすらっと長く、185㎝ある。普段から黒いスーツに真白なワイシャツで黒ネクタイというそれこそ執事のような格好で、齢は金と同じ二十四だ。
「たまには飼ってもいいんじゃない?」
「そうですよ、葉一さま公認ですよ!?」
「ダメです。いくら葉一さまがいいと仰っても、あなたは世話をしないこと確実なんですから、それが条件だというのなら、とても認められませんね」
「金ってそんなに世話嫌いなの?」
「いえ、世話が嫌い・・・というより、飽きてしまうんですよ」
「ああ、なるほど。要するに、始めは可愛いし楽しくてしょうがないけど、段々興味が薄れて面倒になるってこと?」
「ええ、まさにその典型例といったところですね」
「そんなことありません! ちゃんと世話しますよ!」
「私がいる前では、通用しませんよ」
「っぐぅ・・・」
 さすがに二人は付き合いが長いので、白は金の抑え方を心得ている。
「どうしても白は金が飼うのに反対なんだ?」
「ええ、例え葉一さまの許可があろうとも、途中で世話を投げ出すことが目に見えて―――」
「じゃあ、私が飼うよ」
「ですから、いくら葉一さまが―――なんですって?」
「だから、金が飼うのに反対だっていうなら、私が飼う」
「葉一さまぁ・・・!」
 感激した金は涙を溜めて葉一に抱きついた。
「葉一さま、後悔しますよ」
 白は慌てて止めに入るが・・・。
「いいの。確かに金だけが飼いたいっていうなら私も止めたかも知れないけど・・・」
「と、言いますと?」
「私も気に入ったのよ、この猫」
「・・・そうですか、そう仰るのであれば、すぐに手配いたしましょう」
「お願いね」
「よーし! じゃああたしも今日は余計に張り切っちゃうぞー!」
「いえ、あなたはダイニングで寛いでいて結構です」
「なんでぇ!? 洗濯とか料理とか色々あるのに!」
「全て済ませましたので」
「全部・・・?」
「白は本当にやること早いね・・・」
「ですから、あなたは朝食を食べたら喫茶店のほうをお願いしますね」
「はーい!」
 金は今にも踊りだしそうな勢いで飛び出していった。
「そしてフォローも完璧、と。相変わらずだね、白は」
「これも私の務めの内ですから。では猫の手配をしてきます」
「うん、よろしくね。私も後ですぐ喫茶店のほうに出るから」
「分かりました」

「ふんふんふ~ん」
 鼻歌を歌いながら喫茶店の台所で仕込みをしているのは金だ。やる時はやるもので、喫茶店に来てから十分で五十人分は作ってしまった。
 ちょっと多すぎたかな・・・。まあいいか、多すぎたらあたしが食べればいいもんね。
金は見た目によらずかなり食べる。寿司屋へ行ったら一人で三十皿は余裕というほどだ。それなのに体重はもちろん、スタイルも変わらないという世の女性が羨む体質である。
「金、準備は出来た?」
 ちょうど金が仕込みを終えた頃、朝食を終えた葉一が入ってきた。
「あ、葉一さま。はい、ちょうど仕込みが終わったところですよ」
「そう、ありがとう。白ももうすぐこっちに来ると思うからOPENにしようか」
「はーい」
 喫茶店の入り口に掛けてあるCLOSEの札をOPENにひっくり返した。
「うー・・・ん! 今日もいい天気だなあ」
 この喫茶葉月はN県のとある山の中腹に建っており、緑豊かで近場には湖もあるという好条件のためか、登山者やピクニックに来る人たちからも人気が高い。
「さてと、他の仕事もすぐ済ませちゃおっと」
 やる気全開で店内に戻ろうとした時、一人の小さなお客さんがやってきた。
「このお店、まだ準備中ですか?」
 長い黒髪にちょっと街までお出かけというようなオシャレな格好をした、小学五年生ぐらいの女の子だった。
「いらっしゃいませ。ちょうど開店したところですよ」
 少しかがみ、笑顔で答えた。
「ここ、喫茶葉月ですよね」
「そうですよ」
 女の子は安心したような笑みを浮かべた。
「お邪魔しますね」
「はーい。いらっしゃいませ、一名ご来店でーす」

「ええ、そうです。その猫を一匹。なるべく大人しい子をお願いします」
「大丈夫ですよ。大人しいと言いますか、非常に賢い子猫がいますのでその子をお届けいたします。子猫でもよろしいですか?」
「子猫ですか・・・」
 子猫のほうが愛着も湧いていいかも知れないな。
「分かりました。その子猫をお願いします」
「ありがとうございます。ご希望の日時などはございますか?」
「今日の十時までにお願いします」
「はい・・・あのう、『今日の』十時。ですか?」
「そうです。今日の十時です。無理は承知ですが、その分支払ははずみます」
 無理は承知。というのも、依頼しようとしているのは、麓から車で二時間のところにあるペットショップだからだ。というのも、その猫を扱っているところでなおかつ配達が可能だったのがこのペットショップだけだったからだ。
「お願いできますか」
 さすがに難しい、というか無茶な注文なだけあって、電話の向こうではかなり悩んでる様子だったが、しばらくして、
「分かりました。出来る限り早くお届けいたします」
と返事が来た。
「ありがとうございます。では、よろしくお願いいたします」
 電話が終わると同時に、元気の良い金の声が聞こえてきた。
「はーい。いらっしゃいませ、一名ご来店でーす」
「おっと、もうお客様が。急ぎますか」
 早足で店内に入ると、そこには小さな女の子が真ん中のテーブル席に一人陣取っていた。
「お待たせしました」
「あ、ちょうど良かった。金、後は白にやってもらって仕込みのほうお願い」
「仕込みですか? それならもうやりましたけど」
「何人分?」
「五十人分は」
「じゃあ追加で百人分お願い出来る?」
「百人分? ちょっと多くないですか?」
「今日はいつもより良い天気だし、お客さん多くなりそうな気がするんだよ。余ったら食べていいから」
「そうですか、分かりました」
 金は少し戸惑いながらも仕込みをしに厨房へ向かった。
「それにしても、まさかあの方より早いお客様とは、驚きましたね」
「そうだね。いつもあの人が一番にお店に来るものだから、なんだかこういうのも新鮮かも」
 噂をすればとばかりに、その常連はやってきた。
「いらっしゃいませ。おはようございます森重さん」
「おお、おはよう葉一。いつものを頼めるか」
「はい。コーヒーとサンドイッチ、それと朝刊ですね」
 白髪をオールバックにしてサングラスをかけているこの森重という人は、この喫茶葉月が建っている山の管理人をしており、喫茶にはほぼ毎日顔を出してくれている常連だ。齢八十を超えているにも関わらずそこらの若者よりも若々しく筋肉もしっかりしている。
「おや、今日は珍しく先客がおったか」
 カウンターに座ってから後ろの少女に気付いた。
「ええ、なんと開店と同時に来てくれました」
 少女はさっきから携帯電話をかなり気にしているようだった。
「ん? あの校章、どこかで見たことがある」
「校章ですか?」
「あの子の肩に刺繍してあろうが」
 言われてよく見ると、なるほど確かに。盾のような形の枠の中に一つ大きな星があり、その星から翼がはえているような・・・。いや、翼が星を包んでいるのか。
「この辺りの学校ですかね?」
「いや、あれは確かT都にある・・・。なんと言ったかの。全国的にも有名校だったはずじゃが・・・」
「聖星女学院の校章ですね」
「白知ってるの?」
「少し前に学院始まって以来の天才少女が現れたと話題になりましたから」
「おうそうじゃ、確か名前は―――」
「吉本早百合です」
 いつの間にかカウンターのところまで来て、女の子は言った。
「学院創設以来の天才として、日本全国にその名が知れ渡りました」
「なるほど、話題になるはずだ」
「そして、その天才少女と言われる吉本早百合というのが私です」
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