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死を夢見る少女(仮)

途中ですが、載せてみます。
よかったら読んでみてください
 生命の最期は死という幕で閉じられる。
 どこの誰だったか、「死が無ければ全てのバランスは崩壊し、世界そのものが存続できない」と言っていた。故に理から外れる不死や死者を蘇らすことは叶わないと。
 しかし人間という生き物は欲深い。不死を求め、死者を蘇らそうとする者もいた。いや、現在も願い、思う者なら幾人といるだろう。
 しかし少女は願われたわけでもなく、願ったわけでもない。ましてや不死のための研究成果でもなければ、神でもない。
 呪い。死ぬことが許されない呪い。
 ある日突然、魔女と名乗る女に死ねない呪いをかけられ、異世界に閉じ込められた。老衰、衰弱、過労、餓死、自殺、これら全てが通用せず、ご丁寧に不老も追加され、ほぼ不老不死なために寿命もない。しかし、魔女も鬼ではなかった。ただ一つ、条件を満たせば死ぬことができる。
 それは、人間に殺されること。
 だからといって、「殺してください」とお願いして、「分かりました。殺しましょう」などと快く受けてくれる人間なぞほんの一握りいるかいないかだろう。いや、それ以前に殺されるなんて不可能だ。なぜならここは異世界。普通の人間が来られるわけがない。稀に迷い込むのもいるが、殺しとは縁遠い一般人。しかもこの異世界は一般人を検知すると、一定時間で元の世界に強制送還する機能が備わっている。
 そう、少女が殺され、死ぬことが叶う日など、実質的に不可能なのだ。

「…だから少女は死ねないのでした。どう?」
「どうと言われても…」
 巨大な筒の中、という表現の似合う資料室。周りの壁にはビッシリと本が並び、収まりきらない本が床に点々と山を築いている。
「今度は何をやろうとしているの?」
「小説でも書いてみようと思ったの。でもどうせなら私の自伝でも書いてみようかなって思い立ったのよ」
 少女は今読み上げた原稿用紙を見せた。
「でもそれって魔女に処分されちゃうんじゃない?」
「魔女が様子を見に来るまであと100年はある。ついこの前きたばかりだもの」
「ついこの前って…。来たのは27年前だよ。次に来るのは73年後」
「あなたが来るまで私は独りだったのよ? 2年や3年は毎日数えてカレンダーを作ったりもしたけど、とっくに飽きたわ。もうここに何年いるのかも定かじゃないし」
「僕も詳しくないけど、1000年ほどいるのは確かだね。僕がここに来てからは1000年経ってるし」
「1000年……」
 長い、永い時を過ごしてきたのだと、今更ながら思った。
 自伝を書いた原稿用紙を見ながら、少女はうつむいた。
 少女の話し相手をしているのは、少女が命名したリムという魔女の使い魔だ。真っ白な猫で、額に赤い宝石のようなものが埋め込まれている。
 流石に悠久の時を独りで過ごすのは辛かろうという名目で貰った。しかし結局は監視役というだけだった。その証拠に、それまで5年ほどの間隔だった魔女の様子見は一気に100年の間隔になった。
 リムも最初は事務的な振る舞いだったが、今では少女と気軽に話すようになった。
 リムはうつむく少女を心配そうに見つめていた。
「ダメだわ。どんなに圧縮しても100年以上は確定じゃない。長すぎる」
「…え?」
「ん? なぁに? 1000年分の大作を読みたい?」
「全力で遠慮します」
 心配した僕が馬鹿だった…。
 長すぎる時を過ごしたせいか、少女の性格や人格はかなり変わっていた。
 僕が来た時はまだ少女らしくて可愛かったんだけど、いつからかこんなSが強い子になっちゃったんだろ…。
「なにか、愉快なことを考えてそうな顔ね」
 いつの間にか少女の顔がどアップされて目の前にあった。
「そんなことはないサァ、大作を楽しみにしてるよ」
 リムは慌てて取り繕うが、数百年の長きに渡って共に過ごしてきた仲だ。お互いを知り尽くしている。
「そう、昔は可愛かったんだけどなぁ…。って顔してる気がするんだけど、そう思うのは私の勘違いかな?」
 くそぅ、鋭い…。
「…まあいいわ、とりあえずあなたのために、と・く・べ・つに超大作を書いてあげるわ。…資料室が埋まるかもね」
   11:30 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

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