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死を夢見る少女2

続きです。あらすじはもう少し書いてからにしようと思います。

小説は続きから
 家を出て、10分ほど歩いたところにある桜の並木道。小学校の頃から、ここが学校に行く時に涼子と合流する場所になっている。
 出会いと別れの季節である春。暖かな日射し中で、桜の並木道には花弁が舞い降り、出会いには祝福を、別れにはそれぞれの道を示してくれているようで、この辺りの住人にとっては、みなが縁ある場所であり、思い出の場所。だからこそ、大切にされてきた。関わりのない人などいないからだ。
 今は夏。桜の並木道も、今度は葉桜となり、青々とした立派な葉が風に揺られ、「おはよう」と挨拶しているかのようだった。
 おはよう、桜さん。
 心の中で桜に挨拶すると、すぐそこに涼子の姿があった。
「涼子ー!」
 手を振り、大きな声で親友に呼び掛けた。涼子も真琴な気付くと、笑顔で手を振った。
「おはよう、真琴。・・・今日は珍しく悩み事?」
 不意に核心を突かれた真琴は目を丸くした。
「分かる?」
「そりゃあ分かるよ。何年付き合ってると思ってるの?」
何もかも見透かされたようで、真琴は居心地悪そうに頬を掻いた。
「うーん、ちょっと変な夢とか、変な声とか・・・」
 思い出しながら歩き、今朝の事を話す。
「変な夢と・・・声?」
「そう、なんか礼拝堂みたいな、綺麗なステンドグラスがいっぱい壁にあるところで女の子が祈ってるの」
「それで?」
「その祈ってるのは夢の中の別人。当たり前だけどね? なのに、まるで自分が祈っていたかのように感じて、目を開けたら自分の部屋だった・・・。うーん、なんて言えばいいのかな」
「つまり、礼拝堂で目を瞑ってお祈りしていたけど、目を開けたら自分の部屋で、今のは実は夢だった。てこと?」
「そう、そういうこと! さっすが涼子!」
 表現しづらく、言いにくいことを的確に言ってくれた涼子に、真琴はさすが! と感心した。
 真琴はサッパリした性格で、言いたいことや思ったことを直球に言うタイプだが、表現力や文章力がやや乏しく、上手く伝わらないことが多々あった。そこを上手い具合に補ってくれたのが涼子だ。
 涼子は加川グループの令嬢であり、総資産を数えれば世界屈指の大富豪・・・のはずが、全くそれを感じさせず、おっとりとした美人。真琴がそれを知ったのも、涼子の家に行った時だった。
 今まで涼子は家のこともあり、滅多に友人を招待しなかった。それは財産など関係なしに真に信じた親友と呼べる友人がいなかったからだ。幼少の頃から財産目当ての大人や、近付こうと強引に友人になろうとする人が多く、心を許せるような人が全くいなかった。その壁を難なく突破してきたのが真琴だった。
「でも、それは夢なんでしょう?」
「うん。不思議な感覚だったけど、それは夢だよ」
「それで? 声っていうのは?」
「んー・・・」
 どう言おうか悩んだ末に、「頭に直接話しかけられた感じ」と言った。
「空耳とは違うみたいだね、なんて聞こえたの?」
「それがね・・・“タスケテ”って」
「助けて・・・って、もしかして―――」
「いやいや、ないない! もしそうなら警察とかに届けるでしょ」
「でも、もしかしたら警察に言えないようなことなんじゃ・・・それか、警察が頼りにならないほどの―――」
 真琴はしまった! と思った。
 涼子は真琴の良き理解者であり、一番の親友でもある。だが、涼子の素晴らしい、裏を返せば厄介な性格は、真琴の悩みを自分の悩みのように感じてしまい、涼子自身も深く悩んでしまうところだった。
 今回のような悩みに留まらず、ほんの些細な、醤油かソースかというどうでもいいことまで深刻に悩んでしまう。ちなみに真琴の「悩むより行動!」というのは、涼子に出会うよりも昔からのことで、出会ってからも変わらない。ただ、涼子に小さな悩みを悟られないようたまに隠すことはあるが、勘の良い涼子にはほとんど隠しきれない。
「ま、まあヒントも少ないし、今悩んでも仕方ないよ」
 若干誤魔化すようにあはは、と笑い、雰囲気を戻すように真琴は言った。
「でも・・・」
 うっ、まだ食いつくか。
「それにさ」
 くるっと涼子に向き直ると、笑顔で言った。
「涼子がそんな顔してるのは似合わないよ!」
 さっきまで深刻に悩んでいた涼子は呆気にとられたような顔をしたが、すぐに笑顔になった。
「そうですね、不可思議で興味深いことですが、今悩むことではないですね」
   13:34 | Trackback:0 | Comment:0 | Top

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